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工藤 久明; 貴家 恒男; 瀬口 忠男; 勝村 庸介*
Polymer, 37(21), p.4663 - 4665, 1996/10
被引用回数:21 パーセンタイル:64.98(Polymer Science)高分子材料の照射効果(放射線劣化)のLET依存性を調べるため、ポリメタクリル酸メテル(PMMA)とガラス繊維強化樹脂(GFRP)に、サイクロトロンからの高エネルギー(30, 45MeV)プロトンを照射し、3点曲げ試験、分子量測定、ガラス転移温度測定を行った。曲げ強度, 分子量, ガラス転移温度とも線量とともに低下したが、線量に対する挙動はCo-60ガンマ線に対するものと同じだった。Co-60ガンマ線30MeVプロトンの範囲では、LET効果は見られなかった。
D.J.T.Hill*; 工藤 久明; 瀬口 忠男
Radiation Physics and Chemistry, 48(5), p.569 - 576, 1996/00
被引用回数:10 パーセンタイル:65.24(Chemistry, Physical)芳香族系の熱可塑性エンジニアリングプラスチックであるポリサルホン類を、室温からガラス転移温度(約200C)の範囲で電子線照射して、引張特性の変化を調べた。室温照射では50kGy程度で、引張特性は向上するが、照射温度を上げるにつれてこの効果は小さくなった。これらの結果はガンマ線照射でも見られた。50kGy以上の照射では、引張特性は劣化していった。高温での照射では、照射で切断した分子鎖の末端が動きやすいために、分子鎖間の相互作用が促進されて引張特性が向上すると考えられる。
吉田 勝; 浅野 雅春; 嘉悦 勲
Eur.Polym.J., 21(9), p.777 - 779, 1985/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Polymer Science)アルキルアミノ置換基をもつスチレン誘導体(CH=CH・CH・CHCHNRR)のポリマーは生体適合性素材として高く評価されている。これらのモノマーの放射線重合性については、今まで全く報告されていない。そこで、我々はCo線源からの線を用いて、-96Cから25Cの温度範囲でのモノマーの重合性について検討した。例えば、(2-isopropylaminoethyl)-4-vinylbenzene(IPVB)のガラス転移温度(Tg)は-94Cであるが、-96C、-78C、-55C、-37C、-24C、0Cそして25Cの温度下、410rad照射した時のIPVBの重合収率は各々2.4%、27.4%、39.9%、35.7%、36.4%、54.8%、そして71.3%となった。この線量でのポリマーはやわらかくガム状であったが10rad以上照射したポリマーはかたく、透明な状態を呈した。これらの結果と、粘度、IRのデーターから重合メカニズムについて考察した。
岡本 次郎; 伊藤 政幸
JAERI-M 7491, 15 Pages, 1978/01
テトラフルオルエチレン-プロピレン共重合体は耐熱性、耐薬品性に優れた性質を有する。しかしガラス転移温度が高く耐寒性を要求される材料としての用途に制限がある。この報告は耐寒性を支配するガラス転移温度の改良を目的とし、オレフィン、ビニールエーテル、アクリレート、含フッ素ビニール系などを第三成分とする三元共重合反応を試み、得られた三元共重合体のガラス転移温度と分解温度から評価した。その結果、ブテン-1、n-ブチルアクリレートを第三成分とする三元共重合体がガラス転移温度、分解温度の点から優れていることを明らかにした。
嘉悦 勲; 伊藤 彰彦; 相根 典男*
J.Appl.Polym.Sci., 17(9), p.2753 - 2759, 1973/09
被引用回数:0アクリルアミド・アクリロニトリル等と硫酸・硝酸・りん酸等の無機酸の二成分混合系は、分子間相互作用が大きく安定な過冷却状態を実現する事実を見出し、これらの系の放射線重合及び発泡性につき研究した。これらの混合系はそのガラス転移温度(Tg)の組成依存性において典型的な二成分間相互作用型の特徴を示し、重合速度の温度依存性はガラス生成系の特徴である極大及び極小現象を示すことが認められた。アクリルアミド-尿素-硫酸系においては、照射中に重合と同時に発砲が起る事実が見出された。熱電対による追跡によって重合熱ポリマーの膨潤熱等により系の温度が上昇し尿素の分解温度及びポリマーの軟化温度以上に達していることが認められた。
岡本 次郎; 伊藤 政幸; 松田 修; 鈴木 伸武; 団野 晧文
JAERI-M 5476, 40 Pages, 1973/01
テトラフルオルエチレン-プロピレンとからなる共重合体の基礎的な性質、熱的性質、構造などについて検討しそれぞれ相互関係を明らかにした。また、エラストマーとしての二、三の性質、および本エラストマーの特殊性についても言及した。本共重合体は非晶性で交互性に富んだ共重合体であり、熱的性質はその分子量と各モノマ一の共重体中での配列に依存すること、分解温度は約360Cで非常に優れているが、ガラス転移温度が0~-10Cと多少難点があること、Fを含む高分子の特徴としての耐薬品性にも優れ、特にBrFに対しては他エラストマーと比較して優れた性質を示すことなどの結果を得た。